子どもの笑顔に国境はない(2)

2 展開と実践

 筆者の住む地域には、国立大学の経済学部がありますが、その大学院に留学しているベトナムの方と知り合いになることができました。Baさん、Lanさんご夫婦です。

 ディエンビエン小学校からお客さんがいらっしゃることになったので、お客さんをお迎えする準備に取り掛かりました。子どもたちには、「ベトナムからのお客さんをお迎えしよう」という目標を提示しました。

 学習の流れとしては、最初にベトナムについておおまかに触れ、それから簡単なベトナム語の学習をします。BaさんLanさんに学校に来ていただいて、ベトナムについてのお話を聞いたり、質問をしたり、ベトナム語を正しく教えていただきます。次に、歓迎の出し物の練習やベトナム語を使ったプレゼント作りをします。そして当日を迎えます。

⑴ 1学期の取り組みの詳細

「

「どんな顔をしているのかな?」と問いかけた時に提示した写真の一つ

 ベトナムをテーマとして学習する以前から、担任の先生が世界の七大陸に棲むそれぞれの生き物をテーマとしてグループ学習を始めていました。ベトナムの学習を始めるに当たっては(6月23日)、ベトナムからお客さんが来ることを伝えた後、七大陸の学習で子どもたちが持っていた

世界地図を使って、まずベトナムの場所を探すことから始めました。中国の南方に位置していることをおさえた後、どのような顔つきをしているのかと尋ねたのですが、わからない子がたくさんいました。筆者が2月に訪越した時に撮った写真を幾枚か提示して、日本人とよく似た顔つきをしていることを説明しました。

ベトナム語のドラえもん

ベトナム語のドラえもん

 次に、やはり筆者がベトナムから2月に持ち帰ったドラえもんの本を提示しました。ベトナム語の文字を知るということになりますが、3年生ではまだローマ字は習っていません。しかし、見慣れた文字が含まれているわけで、塾で英語を勉強しているある子が、「英語だ」と言ったのが印象的でした。

 その他に、ベトナムの紙幣や竹で作った木琴などを用意していましたので、実際に触れさせたり、音を出させたりして学習を終えました。

 2時目(6月24日)の学習では、ベトナムで実際に使っている3年生の算数の教科書のコピーを用意しました。足し算と引き算と割り算のページからそれぞれ1ページずつ印刷して用意し、問題にチャレンジさせました。もちろん、文字は読めませんから、文章題の箇所は、本来できないはずなのですが、それぞれのページが四則計算のどれを使うページなのかがわかるので、数字の部分を見て立式して計算をしていました。

割り算は、四則計算の中でも日本との違いが一番はっきりとしている

割り算は、四則計算の中でも日本との違いが一番はっきりとしている

  3時目(6月27日)は、ベトナム語であいさつをする学習をしました。あいさつ言葉は次のとおりです。

 ①Xinシン chàoチャオ.
  こんにちは。おはようございます。こんばんは。

 ②Tôiトイ tênテン làラー(○○).
  私の名前は○○です。

 ③Tôiトイ ○ tuiトゥオイ.
  私は○さいです
   8 (tám)ターム または 9( chín)チン

 ④Hânハン hnhハイン.
  どうぞよろしく。

 以上の4つの文を暗唱します。たったの1時間ではありましたが、大部分の子どもたちが言えるようになりました。そして、4時目(6月30日)にベトナム文字でこの4つの文を書く練習をしました。ローマ字も習っていない子どもたちですが、見様見真似で書き取っていました。この3時目、4時目の練習は、これからの学習活動の展開に生かされます。

 また、この4時目の後半の時間を使って、ディエンビエン小学校を写真で紹介しました。

 5時目(6月30日)は、ディエンビエン第二小学校からの「お客さんを迎える準備を始めよう」という学習に入りました。お客さんが来校するまでに準備するものとしては、一人ひとりが作成する絵はがき、千羽鶴、ビデオレター、学級と班の歓迎のだしものにしました。このうち、この5時目で作り始めたのは、絵はがきです。市販の絵はがきに折紙の作品と顔写真を貼り、第3時・4時で学習したあいさつを書き込みます。実際にこの1時間でできたのは、筆者が全員の顔写真をデジカメで撮影した他は、ほとんどの子の場合、折紙で作品を作って絵はがきに貼り付けるところまでで、ベトナム語であいさつを書く作業は、第11時にまわしました。

 6時目(7月1日)は、次の時間にベトナムの留学生のBaさん、Lanさんに来ていただくことになっていましたので、ベトナムのことについて質問したいことを考える時間として取りました。

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