アリを育ててみよう(1)

1.観察しやすいアリの種は? ─クロオオアリ─

 さて、アリを飼育するとしたら、どの種のアリが飼いやすく観察しやすいのでしょうか。筆者の経験からお勧めしたいのが、やまあり亜科のクロオオアリです。皆さんもきっとそのアリは見たことがあると思うのですが、とても大きなアリです。日本に生息するアリの中で最も大きな種で、山間部に多く生息しています。ちなみに、同じ山間部にすむムネアカオオアリというアリがいて、姿と大きさが全くクロオオアリと同じなのですが、ただ胸の辺りが赤色を帯びているアリがいます。このムネアカオオアリも日本最大のアリと言えます。ムネアカオオアリは、クロオオアリが地中に巣を作るのと違って、朽ち木に巣を作ります。また、クロオオアリよりもより高地に生息してします。

 大きなアリと言えば、よく公園などでも見かけますが、その多くはクロヤマアリです。クロヤマアリはクロオオアリよりも一回り小さく、かなり速く歩きます。クロオオアリはゆっくり歩きます。このクロヤマアリは、クロオオアリとは別のアリです。

 クロオオアリが飼いやすく観察しやすいというのは、とにかく日本で一番大きなアリなので、卵も含めて肉眼で見やすいからですし、何と言っても巣をまるごと採取しやすいからです。クロオオアリは、体が大きいのですが、一つの巣の働きアリの個体数は、他の種と比べて断然少なく、また、巣穴は大きいのですが、地中深くまでは巣を作りません。ですから、巣穴をたどることで巣まるごとの採取ができるのです。

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